いちご-基本情報
家庭菜園で一度は栽培してみたい いちご いつかは家でいちご狩りを!と思う方も多いのではないでしょうか。
分類:バラ科オランダイチゴ属
英名:Strawberry
学名:Fragaria
原産地:オランダ
いちご-品種や種類
いちごの品種には「一季成り」と「四季成り」の品種があります。
一季成り:低温で短日の条件で花芽ができる。主に冬から春の時期に収穫できる品種【章姫、紅ほっぺ、あまおう(福岡S6号)、とちおとめ、女峰、とよのか、宝交早生、恋みのりなど】
四季成り:夏季の長日の条件でも花芽ができる。季節を問わず長期間(夏や秋にも)収穫できる品種なので夏秋期のケーキに使用されやすい。
宝交早生(ほうこうわせ)(1960年発表)
いちご栽培初心者でも育てやすく果数が多い。家庭菜園で広く育てられホームセンターでも手に入りやすい。兵庫県農業試験場宝塚分場で開発され耐病性がある早生種。小粒のため早く収穫できる。収穫期後半は小粒になりやすい。雨にあたると痛みやすい。「八雲(幸玉)種」×「タホー種」の交配
収穫時期:4月下旬~5月下旬
約12g 畑・プランターなど露地栽培向け
よつぼし(2017年品種登録)
種子繁殖性の新しいタイプの品種。種子から育てることで親株からの病害虫感染がほぼないのがメリット。名前の由来は三重県、香川県、千葉県、九州沖縄農業研究センターの4機関が共同開発のため「よつぼし」と言われたり、甘味、酸味、風味、美味がそろってよつぼし級においしいということから「よつぼし」ともいわれています。
種子繁殖性の品種には「よつぼし」のほかに、三好アグリテック株式会社の「ベリーポップすず」や「ベリーポップはるひ」などがあります。
あかねっ娘(1994年登録)
甘く酸味が少ない。桃のような香りがある。愛知県農業総合試験場で育成された品種ですが愛知県では人気がない。(出願時の名称は「愛知2号」)
多く栽培されているのは徳島県で、あかねっ娘を独自の栽培方法で大粒に育てたもの「ももいちご(百壱五)」で商標登録されています(品種は同じ)
「(アイベリーと宝交早生)に(とよのか)を交配した系統」×「アイベリーと宝交早生」の系統を交配
うどん粉病の発生は少ないが、炭疽病にはやや弱い
約25g
章姫(あきひめ)
静岡県原産
とちおとめ(1996年品種登録)
大きく多収性のある「久留米49号」×大きくて甘い「栃の峰」の交配。
栃木県農業総合試験場で育成された品種。
平均15g(頂花房は30g~40g)
カレンベリー
「はつくに」×「てるのか」病気に強く、1房に適度になるため成り疲れになりにくい。
約25~30g
蜜香(みつか)(登録品種名:Sunmitsu 2015年品種登録)
蜜のような濃い甘さ、たちこめる強い香り。サントリー本気野菜イチゴの家庭菜園専用品種。
収穫時期:5月上旬~6月中旬 一季成りの品種 草丈:20~30cm
畑・プランターでの栽培向け
おいCベリー(2012年品種登録)
ビタミンCの含有量が多く「さちのか」の1.3倍、「とよのか」の1.6倍。うどん粉病の耐性が少し強く、萎黄病・炭疽病の耐性はない。糖度・食味・日持ち性に優れる。約7粒で1日のビタミンCを摂取できる。
炭疽病抵抗のある「9505-05」×「さちのか」の交配
晴苺(はれいちご):岡山県で2019年に定められたおいCベリーの販売ブランド名。栽培するハウス内の温度や電照の時期・長さ、肥料のタイミングなどを細かくマニュアル化し、これに沿って栽培されたおいCベリーの品種だけが晴苺を名乗ることができる。
約15g
東京おひさまベリー(2019年品種登録)
露地栽培用の品種と比べ大きく、しっかりしているので取り扱いが容易。東京都農林総合研究センターで開発され、宝交早生の欠点を改良した新しい露地栽培用品種。「宝交早生と女峰の交配した品種」×「芳玉」の交配
収穫時期:4月下旬~5月下旬 草丈:約40cm
畑・プランターなど露地栽培向け
桃薫(とうくん)(2011年品種登録)
北海道農業研究センターで開発。「久留米IH1(とよのか×桃の香りのする野生種※)(ももみ、ピーチベリーなどの商品名で家庭園芸用に苗として販売)とカレンベリー」×「野生種」を交配(※中国南西部に自生する野生種の一種。ホワイトピーチベリー、雪見イチゴの名で苗が販売)
寒さに強く豊産性(春までの収量は多いがクリスマスシーズンにたくさん収穫するのは難しい。花数は多いが収穫前期が大きく次第に小さくなっていく)、淡いピンク色で桃のような香り、やわらかいので輸送には注意。今までのいちごとは違った風味が味わい。
約15g
白蜜香(しろみつか)(品種登録出願中)
甘い南国果実の香り、パインのような強い芳香。生育旺盛な品種。花芽発生のために元肥・追肥をする。(チッソの与えすぎには注意)たちこめる強い香り。サントリー本気野菜イチゴの家庭菜園専用品種。
収穫時期:5月上旬~6月中旬 一季成りの品種 草丈:20~30cm
畑・プランターでの栽培向け
天使のいちご(登録品種名:ももいろほっぺ8号 2018年品種登録)
夏のしずく(2021年品種登録)
農研機構東北農業研究センターと青森、岩手、宮城、秋田、山形の共同研究で開発された寒冷地・高冷地の夏秋どり栽培に向く四季成り性の品種。多収性の四季成り品種「みやざきなつはるか」×「なつあかりと盛岡30号の交配」が親。ケーキ等に向き寒冷地などで6月~11月収穫される。
草勢はかなり強くランナーも多い。
おすすめは・・・・【おいCベリー】、【東京おひさまベリー】
いちご-栽培方法
・定植後は花やランナーよりも株を育てることに集中!
・10月頃の植え付けで早くて翌年春~収穫。クラウンを埋めないこと!
・休眠期間は肥料をやらないようにする。
育て方
苗の定植
苗の定植が基本です。(種から育てられる品種もあります)
10月頃に植え付け。子株で増やしたり、ホームセンター等で販売がされているので好きな品種を手に入れましょう。
親株から切り離したランナーの反対側から花が出てくるので方向を決めて定植する。クラウン部分(新芽や新葉が出てくる真ん中の部分)がしっかりと出ているように定植する。泥のはね返りを予防するため敷き藁をしてもよい。
生育適温:18~25℃
土は1株で5L以上、2株の時は15L以上で植えつけるのが望ましい
※チッソが多いと株は成長しますが花芽分化が起こりにくくなるので注意する。
追肥
2回:根付いたあとの11月頃、休眠から開けて新葉が出だした2月頃
休眠期間
寒くなると越冬のためロゼット状になり休眠期間に入ります。この期間は肥料はやらず水切れ・凍結に注意して過ごしましょう。
敷き藁(しきわら)
防寒や霜対策、泥のはね返り予防などで使用します。定植後に敷き藁をする場合は、休眠明けの花の咲く前(環境にもよりますが2~3月頃)に敷き藁の交換をするようにしましょう。
花芽分化(かがぶんか)
花芽分化とは、生殖のために必要な花になるための芽をつくることで、栄養状態や気温、日照時間などが影響します。
高温(25℃以上)や低温(5℃以下)すぎると花芽分化は起こらず、15~25℃では日の短い条件が加わると花芽分化しやすい。5~15℃では日の長さに関わらず花芽分化をするようです。
花が咲き受粉をすることでいちごができるので、いかに花を咲かせ実らせるかが重要です。
収穫
4月~5月頃
促成栽培をすると収穫時期、収穫期間を長くすることができます。
コンパニオンプランツ(混植)・後作(あとさく)おすすめ
混植:にんにく、ネギ、マリーゴールドなど
後作:ほうれんそうなど
混植:ニラ、キャベツ、ハーブ類などは×
後作:アブラナ科×
連作障害・害虫
連作障害:あり(収量、品質の低下)
害虫:アブラムシ、ナメクジなど ※鳥や獣などにも注意
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